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保険治療の疑問

保険治療について

  • 「保険点数」とは何でしょうか?
    • 保険診療は厚生省により、診療内容や使用する材料・薬剤等に応じて、点数が定められております。その点数は治療費として1点10円で計算され、医療機関への診療報酬が支払われております。
      総治療費の内、各保険組合で定められた割合分を患者の自己負担で、残りを健康保険組合より支給されます。
      点数は年に数回見直しがあるため、同じ治療内容でも、その改正日前と後では窓口で支払う治療費は異なります。

  • 前歯は保険で被せものができますか?
    • 前歯と言われるのは、犬歯から犬歯の上下合わせて最大12本です。前歯を被せる場合は、保険でも白い歯ができます。保険適応の材質はレジンという樹脂で、色は数種類から選ぶことができますが、天然歯のような透明感は無く吸水性があるため飲食物等の色素により変色していきます。
      変色のしない天然歯のような自然な歯を求めるのなら、セラミックの被せものですが、保険適応外となりますので治療を進める前によくご相談してください。

  • 硬質レジン前装冠とはなんですか?
    • 金属フレームの表面に、硬質レジン(プラスチック)を張り付けたものです。
      硬質レジン(プラスチック)部分が削れやすく、吸水性があるため、汚れが付着しやすいため徐々に変色を起こします。
      現在、犬歯から犬歯までの前歯のみ保険が適応されております。
      奥歯での使用の場合は保険外となりますが、硬質レジン(プラスチック)は柔らかく摩耗しやすいため、噛む面は金属を使用する場合もあります。

  • 保険の白い詰めもの(レジン)とは?
    • むし歯の部分を取り除き、その部分を埋めるコンポジットレジン(プラスチック)は、数種類の色から歯に近い色を選ぶことができます。柔らかい材質で、擦り減ったり欠けたりしやすいため、大きな虫歯や噛み合せの部分にはお勧めできません。また、吸水性があるため、汚れが付着しやすく、徐々に変色が起こります。
      いずれ生え換わる乳歯や前歯の小さな虫歯に施術されることが多い治療です。

  • 白い詰め物の中に環境ホルモンが入っているという噂がありますが本当ですか?
    • 環境ホルモンは、体内のホルモン受容体に結合し、体内の機能を撹乱させる化学物質です。環境ホルモンは、体内に取り込まれると多くは女性ホルモンと同じような働きをし、動物実験では、オスがメス化するなど性器や性行動に影響を与えることが確認されています。世界中で報告されている動物の生殖器の異常や、人間でも精子減少や女性の乳がんとの関係などが疑われています。

      ポリカーボネート製のプラスチックを製造する際のモノマーや、エポキシ樹脂の原料として利用されているビスフェノールAが環境ホルモンとして疑われております。
      歯科では、義歯や詰め物のレジンに環境ホルモンが含まれているのではないかと問題になったことがありますが、歯科材料社では、現在使用されている歯科用レジンにはビスフェノールAは用いられていないと発表されております。
      歯科材料は年々改良され、性質向上されております。以前歯の詰め物の主流であったアマルガムも、水銀が含まれるということで、現在はほとんど使用されておりません。しかし、中にはレジンに対するアレルギーをお持ちの方がおられますので、何か症状が出たら医師にご相談ください。

      日米欧の政府機関で定めたビスフェノールAの許容摂取量は 0.05mg/kg /日×体重
      もし、ビスフェノールAが歯科用レジンに含まれていた場合、コンポジットレジンを0.5g充填(1本の虫歯を充填するのに約0.1~0.2g)したとすると、最高で1mgのビスフェノールAが溶け出す可能性が考えられます。
      ビスフェノールA混入の缶入り飲料の場合には、ひと缶(約200ml)を飲んだとすると、コーヒーでは22mg、烏龍茶では1.6mg摂取することになります。これらの値は、コンポジットレジン0.5gを充填したときの最高値1mgと比べて、コーヒーは22倍、烏龍茶は1.6倍です。

  • 口を開けた時に目立つ場所なので、出来れば保険で白い歯を入れたいのですが?
    • 保険適応の硬質レジン前装鋳造冠という白い被せものがありますが、保険が適応できるのは、犬歯から犬歯までの上下前歯12本のみです。
      犬歯の後ろの小臼歯まで保険が適応できるレジンジャケット冠というプラスチックのみで作製された被せものがありますが、摩耗しやすく耐久性に劣るため、現在の保険規定では奥歯の噛む歯には対応できないとして、使用不可とする医院が増えています。ホワイトニングもお勧めです。
      その他の白い被せものは、保険が適応されない材質のため、奥歯での白い歯は保険外診療となることが多くなります。


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